ホーム > 特集 > 鉄旅れぽーと > 2021年4月17日 ふらっとSLもおかの旅


このページに記載されている情報は、2023年4月23日時点のものとなります。最新の情報は、真岡鐵道のホームページ等でご確認ください。


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  • 真岡鐵道 SLもおか
    茨城県筑西市の下館駅から栃木県芳賀郡茂木町の茂木駅を結ぶ第三セクター鉄道の真岡鐵道では、土・休日を中心に蒸気機関車「SLもおか」が運行しています。
    正直、沿線の見どころは少なく、SL自体が観光資源のひとつとなっていますが、新型コロナウィルス感染症が流行して以降、感染症対策として定員を通常の半数以下にしても空席がでてしまうほど客足は遠のいています。そこで今回は下りの「SLもおか」に乗車し、いろいろ知っていただいて乗車するきっかけになればと思いレポートにしました。
    ※2023年4月23日現在、乗車人数の制限は設けられていません。

    一時期は真岡鐵道公式ホームページの専用フォームから、乗車日の2日前の23時55分までにSL整理券の予約が必須でしたが、現在はWeb予約に加えて当日券の販売が再開されているので、空席があればいつでも乗れるようになっています。

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  • 回送列車を見る
    SLの始発となる下館駅へのアクセスはJR水戸線、関東鉄道常総線、筑波山方面からの路線バスなどがあります。このうち友部方面からJR水戸線でやってくるには水戸8時39分発の小山行きのみしかなく、下館駅には9時40分着でSL発車まで55分も時間があります。しかし暇をもてあますこと無かれ。9時55分ごろにディーゼル機関車に牽引されたSLの回送列車が到着します。

    ※小山方面からのJR水戸線で回送列車を見るには、小山9時08分発の勝田行き(下館9時28分着)となります。関東鉄道常総線からのアクセスは、取手8時12分発の水海道乗換下館行き(下館9時35分着)となります。


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  • 構内入換を見る
    ディーゼル機関車が牽引する回送列車は、到着後すぐにホームの無い線路に移動します。この際、SLが先頭になって動くので、短い距離ですがSLの走りを間近で見ることができます。出発の合図に汽笛が鳴りますのでご注意ください。
    ちなみに移動が終わってすぐに、後方ではディーゼル機関車と客車の切り離し作業が行われます。SLを見に来てるわけですが、そっちも興味があればご覧ください。その後は普通列車が発着するため、20分ほど動きはありません。この間にSL整理券を購入したり、トイレを済ませておくなどしてください。

    SL整理券は下館駅1番線(真岡線ホーム)にいる係員が販売しています。Web予約の場合は予約完了後に真岡鐵道から送られてくるメールを見せると購入できます。支払いは現金のみです。

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  • 記念撮影をする
    10時17分発の普通列車が発車した後、SLは1番線ホームに戻ってきます。客車のドアが開くと乗車できますが、発車まで10分ほどありますのでSLと記念写真を撮るのもよいかと思います。乗客だけでなく見学に来る方々もいますが、コロナ禍では以前のような賑わいも見受けられないので、譲りあえばスムーズに撮影できると思います。
    座席に荷物を置いたまま車外に出る場合、盗難には十分気をつけてください。

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  • 乗車する
    乗車の際、感染症対策として全てのドアの脇にアルコール消毒液がありますので、必ず手指の消毒をしてから乗車してください。2023年5月中旬よりマスクの着用は個人の判断にゆだねられます。
    先頭車の1号車は2020年12月よりいちごの装飾が施されています。2号車、3号車は普通の車内ですが、2号車にはグッズ販売所、3号車にはトイレがあります。
    着席の際は車内の中吊りポスターにもあるように、家族や友人などのグループ以外ではボックス席は対面で座ることがないよう、ソーシャルディスタンスでお願いします。
    ちなみに車両は国内で唯一、50系客車の原型を保った車両といわれていて、冷暖房機能がありません。冬はSLの蒸気で車内を温めますが、夏は窓全開で暑さをしのぎます。ちなみに窓は2段構造で、上でも下でもどちらでも開けることができます。下の窓を開けるときは、窓から顔や体を出さないでください。
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  • 下館 10:35 → 茂木 12:06(真岡鐵道6001列車)
    「SLもおか」は定刻どおり下館駅を発車。下館二高前駅を通過して折本駅に停まります。進行方向右側の車窓は下館の町中、左側は田んぼが中心となります。左側で国道294号と併走すると、間もなく折本駅に到着です。下館駅からの乗車の場合、折本駅の到着前後に車掌さんが車内を巡回して乗車券とSL整理券の確認を行います。確認後に記念乗車証をくれます。

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  • 折本駅で上り普通列車と交換
    列車は折本駅を含めて途中、9つの駅に停車します。上り普通列車との交換待ち合わせを行う駅も運転停車ではなく、ドアが開いて乗り降りが可能です。ただしその駅の利用者が乗り降りすることが前提の停車時間となっていますので、記念撮影などを撮る余裕はありませんので注意してください。
    そして交換駅はすべて進行方向右側に列車が来ます。駅停車中は窓から顔や体を出さないでください。
    折本駅を出るとひぐち駅を通過し、久下田駅、寺内駅、真岡駅と続けて停車します。

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  • 寺内 → 真岡
    久下田駅、寺内駅は駅構内にソメイヨシノがあり、ホームが1面しかない寺内駅では進行方向右側だと目の前で見ることができます。例年だとまだまだ花があってもおかしくない時期ですが、青々としちゃってますね。
    下館−寺内の半分は里山の中を走るため、特に夏場は窓から手を出していると木が当たって怪我をする恐れもあります。なので顔や体を出さないようにと再三述べているわけです。寺内駅を発車するとようやく拓けた場所が続きますが、すぐに真岡の町中に入り、進行方向右側にSLキューロク館が見えてくると真岡駅に到着です。
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  • もう一度記念撮影する
    真岡駅では10分の停車時間があるので、降りて記念撮影をすることができます。車内に荷物を置いておく場合は、貴重品だけでも持って降りるようにしてください。
    こちらも見学で駅構内に入る方々がいますが、2番線ホームは乗客のみ立ち入ることができるので、譲りあえばスムーズに撮影できると思います。

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  • 西田井駅で上り普通列車と交換
    真岡駅を発車し、北真岡駅を通過すると、4月上旬から中旬にかけて桜のトンネルと菜の花が一面に広がり、9月中旬には進行方向右側の眼下に彼岸花のじゅうたんが続きます。こちらは実際にその季節に自分の目で確かめてもらえたらと思います。
    さらにその区間を抜けた進行方向左側には真岡観光リス村がありました。通過時には豪快に汽笛を鳴らす場所でしたが、残念ながら新型コロナウィルス感染症による客足の減少で、2020年10月末に閉園してしまいました。
    そこから暫くは田園風景が広がり、間もなくして西田井駅に到着します。ここでは5分ほど停車して上り普通列車との交換待ち合わせを行います。

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  • 西田井 → 多田羅
    西田井駅を出ると北山駅を通過し、益子駅、七井駅、多田羅駅と各駅に停車します。北山駅は通過となりますが、徒歩で10分もかからないところに沿線最大のイチゴ狩り農園(吉村農園、JAはが野 益子いちご団地)があります。2月〜5月上旬に営業してますので、気になる方は普通列車で行って見てください。
    暫く車窓は田園風景が続き、小貝川を渡ると益子駅に到着します。益子はいわずと知れた焼き物の産地です。ここでSLを降りて観光する人もかなりいます。益子駅より先の車窓は、進行方向右側は低山、左側は引き続き田んぼが続きます。七井駅周辺も同じ感じですが、次第に雑木林が増えてくると多田羅駅に到着です。

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  • 次第に山奥へ
    多田羅駅も寺内駅と同じくホームが1面しかない駅ですが、辺りは雑木林に囲まれていてうっそうとしています。停車中に進行方向右側を見ると、山が近づいてきているのも伺えます。
    多田羅駅の次は1駅進んだ市塙駅に停車します。まだ小貝川と併走しているため進行方向左側は田園風景が続きますが、次第に山も多くなってきます。どこか懐かしさを覚える日本の原風景に加え、SLの音と客車の揺れが心地よく感じてくると思います。

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  • 市塙駅で上り普通列車と交換
    市塙駅で最後の上り普通列車との交換待ち合わせを行います。停車時間は3分ほどなので、外に出て撮影する余裕はあまり無いと思います。
    市塙駅を出ると、笹原田駅、天矢場駅を通過して、いよいよ終点の茂木駅です。車窓はがらりと変わって山間を進んで行きます。とくに進行方向右側は林ばかりで面白みがないかもしれません。

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  • まもなく茂木
    天矢場駅前では、本来4月末に咲く八重桜が10日ほど早く咲いていました。ここから列車はぐんぐん坂を下っていきます。速度を抑えるためにブレーキをかけながら走るので変な揺れ方をしますが、それが落ち着く頃に進行方向右側に道の駅もてぎが見えてきます。
    道の駅もてぎでは場内アナウンスでSLが来ることを知らせてくれるので、時間になると大勢の利用客が線路際に立って手を振ってくれます。道の駅を通り過ぎると、終点の茂木駅に到着です。
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  • 最後に記念撮影
    「SLもおか」は定刻どおり、終点の茂木駅に到着。このあと列車はホームの無い線路に移動し、SLは方向転換のために転車台に乗りますが、少々時間があるので記念撮影できます。列車が移動する時間になってしまったら、係員の指示に従ってください。

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  • 解散?上りのSLもおかも乗る?
    今回は下りの「SLもおか」の乗車が本題なのでレポートを終了したいところですが、せっかくなので周辺の案内を1つ。土・休日に茂木駅から笠間道バス停(道の駅の真裏)行きのJRバスが運行されています。発車は12時30分で、すぐに道の駅に到着。1時間半ほど食事や買い物を楽しんだ後は、宇都宮駅方面から来る14時03分発の茂木駅行きで戻ると、上りの「SLもおか」の発車時刻に間に合います。
    道の駅もてぎでは2021年3月6日につけ汁うどんのお店がオープンしました。道の駅もてぎと言えば「ゆず塩ラーメン」が有名で、かく言う私もお昼はそれを食べる予定でしたが、せっかくなので肉汁うどんを食べてみました(他にメニューはきのこうどん、いなり寿司のセットのみ) ここのところうどんといえば山●うどん食堂しか行ってなかったので、久しぶりに本格的なおいしいうどんを食べられました。いなり寿司はいずれもゆず風味です(柚子胡椒とゆずの漬物) また食べに行こうと思います。
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  • おまけ
    下りの「SLもおか」に乗車した理由がもうひとつありまして、それが下り列車でしか予約、購入できない駅弁です。この時は真岡線全線開通100周年記念「まるまるもーてつごはん」を購入しましたが、記念弁当なので2022年6月末に販売を終了してしまいます。現在は7〜9月を除いて「SLふるさと弁当」が販売されています。詳しくはこちらのページをご覧ください。

    駅弁は下りのSL整理券のWeb予約専用フォームからしか予約できません。ただ、弁当を予約したにも関わらず様々な理由で列車に乗車できず、当日キャンセルとなって余ってしまった場合のみ、茂木駅到着後に販売することがあるそうです。
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