ホーム > 特集 > 鉄旅れぽーと > 2020年7月25日 ときわ路パス(夏)


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  • 今回の旅の目的
    今年のときわ路パス春季期間中(2月1日〜4月26日)は新型コロナウィルス感染症の影響で緊急事態宣言が発表されるなど、外出自粛や飲食店等の休業によって観光需要が大きく落ち込みました。6月8日には茨城県独自のガイドラインが最低レベルにまで緩和され、ようやく自粛解除や営業再開となって経済活動が再開されましたが、それでも人の流れは滞った状態が続いています。
    今回、低迷する観光需要の回復支援の一環として、特別に夏季のときわ路パスが設定されました。フリーエリア内の5社(JR、関東鉄道、鹿島臨海鉄道、ひたちなか海浜鉄道、真岡鐵道)ごとに記念のポストカードがもらえる特典もあり、出来るだけ多くの地域を訪れてもらえるような仕組みになっています。

    今日は1日で各社のポストカードを集めるために茨城県を縦横無尽に移動しまが、ポストカードを貰う条件に「当日有効のときわ路パス」とは書かれていないので、もし1日で達成できなかった場合でも別の日に配布場所まで乗車券を購入して向かうなり、常総線なら1日フリーきっぷで、ひたちなか海浜鉄道だったら湊線1日フリー切符を使うなどして訪れてポストカードを貰うことも可能のようです。配布枚数は各社とも2,020枚限定で無くなり次第終了ということで、早々に集めに行きました。

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  • 旅の始まりは栃木県から
    桜川市内(岩瀬地区、大和地区)に住んでいる人なら分かると思いますが、下館駅に行くより真岡鐵道の真岡駅や益子駅の方が近かったりします。今回は予め下館駅にてときわ路パスを事前購入しておいたので、JR水戸線からではなく真岡鐵道からスタートすることにしました。なぜ真岡鐵道を選んだかという理由については最後に分かると思います。

    ひたすら列車に乗るだけでも茨城県内には様々な車両が走っているので楽しいと思いますが、その土地ならではという雰囲気も味わって行きたいと思います。

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  • 益子 7:52 → 下館 8:37(真岡鐵道110列車)
    まだ窓口が開かず無人駅となっている益子駅に2両編成のモオカ14形がすべりこんできました。なんとこの日はモオカ14-1とモオカ14-2という富士重工業(現在のSUBARU)宇都宮工場最後の鉄道車両コンビという顔合わせでした。両車ともJR水戸線への乗り入れを視野に入れた準備工事が施されている珍しい車両です。また、車端部はロングシート、中央にボックス席を配したセミロングスタイルとなっているので、ボックス席を確保できれば車窓を眺めながら旅情を味わえます。
    世間は4連休と言えども、補講などのために登校する高校生で多少は混雑しているかと思いましたが、天気のせいもあってか終始1両でも十分だろうと思うくらいしか乗客はいませんでした。

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  • 下館 8:41 → 水海道 9:16(関東鉄道常総線7046列車)
    下館駅での乗り換え時間は4分ですが、予めきっぷを持っているので焦ることなく乗り継げました。ただし同時にJR水戸線の上り列車も到着するので、連絡橋がやや混雑します。

    次に乗車した列車は快速列車のため次々と駅を通過していきますが、最初の通過となる大田郷駅では4連休限定で「アマビエ」のヘッドマークを付けた列車とスライド。うーん、見えない。
    ちなみに快速列車は2005年のつくばエクスプレス開業に合わせて運行を開始しましたが、当時はつくばエクスプレスへの乗り継ぎ客も少なく、認知度も低かったことから列車によっては乗客が5人以下なんていうこともあったので、そのうち無くなるんじゃないかと心配になりました。現在は利用客も多くなったものの、やはり新型コロナウィルス感染症の影響で人出が少ないせいか、運行開始当時を思い出させるくらいしか乗客はいませんでした。

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  • 水海道 9:25 → 取手 9:54(関東鉄道常総線1048列車)
    快速列車は守谷駅まで行きますが、接続列車の始発駅は水海道駅となるためここで一旦下車してトイレ休憩と撮影タイム。常総線の車両にはトイレがないので、全線乗り通す際にはそれ相応の覚悟が必要です。
    トイレから戻ると1番線にはこれから乗るキハ5011、3番線には下館行きの黒田ウーサー(クリーニング専科のラッピング車両)がそれぞれスタンバイ。さらに2番線には取手方面からの終着列車も到着してホームが一気に賑やかになりました。しかもいずれも塗装の違う車両を1枚に収めることができるという奇跡も起きました(ここで今日の運使い果たした?)いつしか雨も上がってじっくり撮影できました。

    車内は水海道駅を出た時点ではガラガラでしたが、南下するほどに乗客は増え、新取手駅を出るころには立ち客も多く出るほどの混雑ぶりでした。取手−水海道が複線になっているのも伊達じゃありません。

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  • 取手駅で関東鉄道のポストカードをゲット
    取手駅に到着後、改札窓口でときわ路パスを提示して関東鉄道のポストカードをゲット。配布場所は水海道駅や守谷駅でもいいように思えましたが、何か理由があるのでしょうか。

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  • 取手 10:12 → 水戸 11:35(JR常磐線1149M)
    茨城県では7月20日より東京都への不要不急の外出、滞在を自粛するようお願いが出ていることから、JR常磐線は上り下りともガラガラ。ボックス席が空いてればゆっくり車窓を見ながら行きたいなと思い9号車の乗車位置で列車を待ちましたが、やってきたのは9号車がロングシートのハズレ車両...。10号車のボックス席は全て埋まっていたように見えたので9号車で我慢しましたが、向かいに座る人がいなかったり間隔を空けて座ってたりしたので、向かいの窓から外を眺めるのは容易でした。

    列車は15両で土浦駅まで進み、土浦駅で前5両を切り離して10両で北上。土浦駅周辺のハス畑ではハスの花も見られましたが、再び雨が降ってきたため恋瀬川付近から筑波山を見ることはできませんでした。

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  • 水戸駅で小休止
    時間も時間なので水戸駅で腹ごしらえ。土浦駅で切り離し作業のため暫く停車していた際、ふと外を見たら立ち食いそば屋は両ホームとも閉まっていたので水戸駅もやってないんじゃないかと心配になりましたが、営業していました。
    水戸駅(勝田駅)の立ち食いそばと言えば納豆そばが有名ですが、これからまだ先の行程があるので今日はやめておきます。最近では運営会社が変わって登場した唐揚げそばが徐々に認知度を上げてきましたが、それも以前に食べているのでパス。茨城県民のソウルフードともいえるけんちん蕎麦を紹介したいところですが、秋限定のため今日は食べられません。じゃあ何食べようと少々迷いちくわ天そばに決定。何ゆえそばやうどんのトッピングっていか天とちくわ天が王道なんでしょうかね。
    食券機で券を購入して備え付けのアルコールで手指を消毒。そばを申請していざ出来上がりというタイミングで傘が無いことに気付く。とりあえずそばを受け受け取ったらお店を出て乗っていた車両へ。幸いにもそば屋の目の前ということですぐに回収できました。
    水戸駅(勝田駅)の立ち食いそば屋は頻繁に利用しているわけではありませんが、運営会社が変わってもメニューが変わってないことから察するとおり、味の方もそんなに変わってないと思います。ちくわ天も大きくて満足の1杯でした。

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  • 水戸駅でJR水戸支社のポストカードをゲット
    このあと大洗駅まで行って再び水戸駅に戻ってきたときにポストカードを貰う予定でいましたが、「常磐線でGO」アプリのデジタルスタンプラリーも気になったところなので、スタンプの取得と合わせてポストカードをゲットしました。ときわ路パスでポストカードを貰うには対象の駅の改札窓口に行かなければなりません。一方、常磐線でGOアプリのデジタルスタンプラリーのうち、水戸駅のコードポスターは改札外にあるみどりの窓口の一番奥に設置されているので、一旦改札を出ました。
    最近水戸駅に行っていない人は、一番奥ってびゅうプラザじゃね?と思われますが、びゅうプラザ水戸駅は今年3月いっぱいで閉店しました。そのため、びゅうプラザのカウンターだった所がみどりの窓口のカウンターに変わっています。

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  • 水戸 12:00 → 大洗 12:17(鹿島臨海鉄道大洗鹿島線137D)
    水戸駅での目的を達成したら鹿島臨海鉄道大洗鹿島線で大洗駅へ。やや雨の降り方が強まってきましたが、生憎の天気でも学校帰りの高校生以上に観光客の姿が多く目立ち、大洗駅までの約15分は今日唯一の立ち乗りとなりました。救いだったのは乗車した車両が新型の8001だったわけですが、従来の6000形だと2ドアに転換クロスシートなのに対し、8000形は3ドアでロングシートなので多少の混雑でも圧迫感は軽減されたように感じます。

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  • 大洗駅で鹿島臨海鉄道のポストカードをゲット
    大洗駅内は多くの「ガルパンさん」で賑わっていました。そんな彼らを横目に鹿島臨海鉄道のポストカードをゲットするわけですが、その前に常磐線でGOアプリのデジタルスタンプも取得します。大洗駅のコードポスターは改札内の上りホームへ向かう階段の手前にあるので、改札を出る前に取得。
    デジタルスタンプラリーの景品は鹿島臨海鉄道大洗鹿島線開業35周年の缶バッチで、改札外にある売店で引き換え。ついでに駅弁も購入しようと思いましたが今日は売り切れとのことでした。仕方なく缶バッチだけもらおうとアプリを起動するも、なぜか別コースのスタンプラリーしか表示されないトラブルが発生。見かねた店員さんがスタンプ集めたならいいよと缶バッチをくれましたが、どうにも腑に落ちずアプリを操作。すると右上に小さく「コースを選択」と出ていたので、そこをタップしたら大洗コースが表示され、なんとか店員さんに達成済みマークを見せることはできました。しかし大幅な時間ロスでガールズ&パンツァーの展示品をゆっくり見て回ることもできませんでした。

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  • 大洗 12:31 → 水戸 12:47(鹿島臨海鉄道大洗鹿島線1140D)
    ポストカードの記念写真を撮るのも慌しく、ホームへ向かうとガルパン2号車(ガールズ&パンツァーラッピング2号車)が停車中でした。ガルパンラッピング車両は鹿島臨海鉄道のホームページで運行スケジュールを確認することができますが、今回は確認してなかったので出会えてラッキーでした。

    車内は行きの混雑からは一転して程よい感じにソーシャルディスタンスが保たれる状況でした。なので車内に貼られたキャラクター達を撮ってる人も気兼ねなく撮れたんじゃないでしょうか。なお、写真は水戸駅到着後に撮影しています。五十鈴華が写ってないじゃんと怒るファンもいるかと思いますが、ドアが開いていると消える仕様になってます...。

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  • 水戸 13:00 → 勝田 13:05(JR常磐線1159M)
    勝田駅に向かう前にニューデイズで駅弁を購入しようと思いましたが、こちらもまさかの売り切れ。新型コロナウィルス感染症の影響で利用客が減り、作ってる量も少ないんでしょうかね。駅弁は家に持ち帰って夜食べる予定だったので保冷バックを持ってきましたが、正午前に買うのを躊躇していたIBARAKI E-MONO(ギフトガーデン)の「究極のメロンパン」ももう売り切れていたので、保冷バッグの出番は無くなりました。
    仕方なくホームへ行き列車を待ちますが、写真を撮るため10両最先端の位置で待っていたら、やってきた列車は5両編成。土浦方面からでも、この列車と15時半ごろの計2本が5両編成なのをすっかり忘れていました。乗り遅れたら大変だと写真は撮らずに早歩きで車内へ滑り込みました。
    乗車した車両は今年3月のJR常磐線全線運転再開に合わせて追加製造されたものですが、さすがにもう新車特有のにおいは残ってませんでした。

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  • 勝田 13:17 → 那珂湊 13:33(ひたちなか海浜鉄道湊線131列車)
    勝田駅で湊線へ乗り換えますが、時間もあることから勝田駅のニューデイズにも立ち寄ってみました。やはり駅弁は無く、他の弁当類もほぼ完売といったところでした。しかしここで「究極のメロンパン」に出会えるとは思わず、しかも残り1個だったので購入。福島県民愛飲の酪王カフェオレとともに保冷バックに入れてお持ち帰りです。
    ホームに降りると待っていたのはJR東海からやってきたキハ11-5。首都圏では類稀な気動車天国の茨城県において、その中でもひたちなか海浜鉄道では数多くの旧型車両を保有してきました。しかし老朽化によって相次いで引退となり、変わってJR東海および東海交通事業者から譲り受けたキハ11形が古参のキハ3710形とともに活躍しています。

    雨は小康状態となってきましたが、お昼を過ぎているということもありこの時間から那珂湊を訪れる観光客は少なく、車内もそれほど混雑していませんでした。

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  • 那珂湊駅でひたちなか海浜鉄道のポストカードをゲット
    那珂湊駅に降り立つと雨はほぼ止んでいました。改札口へ向かう前に「ミニさむ」がいないか辺りを見回しましたが姿は見えず、駅事務所入口に置かれた空のエサ入れしか確認できませんでした。昨年6月に没した「おさむ」は頻繁に姿を見せてくれましたが、「ミニさむ」にはまだ1度も会えてません。
    改札口でポストカードを貰ったら駅舎内で撮影。写真がオレンジがかっているのは待合室が間接照明になっているためで、駅舎内はとても落ち着いた雰囲気に包まれています。しかしきっぷ売り場は自社のフリーきっぷや記念硬券のほか、銚子電鉄などのグッズの委託販売のPOPが所狭しと貼られているため、ローカル鉄道ならではの必死さも垣間見えました。

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  • 那珂湊 14:11 → 勝田 14:26(ひたちなか海浜鉄道湊線134列車)
    那珂湊駅での待ち時間は今日一番の長さでしたが、落ち着いた雰囲気の駅舎で大してすることも無く、ボーっとのんびり過ごすのも悪くはありません。お昼時にでも訪れれば駅前の日乃出屋で食事するのもいいですが、それはまた次の機会として今日は先を急ぎます。

    やってきた車両は先ほどと同じキハ11-5。阿字ヶ浦駅から折り返してきた列車です。乗客はそれほど多くなく、ボックスシートに座って穂を出し始めた稲を眺めながら勝田駅へ戻りました。

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  • 勝田 14:39 → 友部 15:14(JR常磐線428M)
    勝田駅で特急車両を撮っていると、上野方面から列車が到着して折り返し運転の準備が始まります。この列車は後から発車する特急「ときわ78号」に抜かれるため水戸駅で15分停車します。15分もあれば一旦降りて立ち食いそば屋へ駆け込んで1杯頂くのも難ではありませんが、ここは県庁所在地水戸。人出の少ないこのご時勢であっても色々な人が行き交うので、車内に留まり見ていても飽きませんでした。
    ※写真は勝田駅での待ち時間に撮ったもので、乗車した車両ではありません。

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  • 友部 15:19 → 下館 15:58(JR水戸線754M)
    水戸駅を出たころから再び降り始めた雨は弱まる気配もなく、ザーザーと音を立てて降り続いています。JR常磐線からの乗り換え客の大半がボックス席のある進行方向後ろ側へと向かう階段を降りていく中、下館駅での乗り換え等を考慮して先頭車両に乗車。写真を撮って発車間際に乗り込むも、車内はガラガラでした。
    列車が西に進むにつれ空は次第に明るくなり、岩瀬駅に着くころには雨は上がってくれました。今日は本当にめまぐるしく天気が変わります。

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  • 下館 16:03 → 真岡 16:31(真岡鐵道6103列車)
    下館駅からは今回の旅の目的のメインとなる客車列車に乗車します。旅の終始を真岡鐵道にしたのはこのためです。SL列車は新型コロナウィルス感染症の影響で、当面の間は乗車するにはインターネットからSL整理券を予約しなけれなりませんが、この列車は普通列車なので乗車券やフリーきっぷだけで乗ることができます。暫くは祝日の運転はありませんが、土・日のみとは言え客車の普通列車が定期運行しているのは日本全国でもここだけなので、機会があれば是非乗車してください。
    真岡鐵道の客車は原型をとどめているためクーラーは設置されていません。なので夏場は窓を全開にして走ります。雨が降っていると窓を開けることもできないので天気が本当に心配でしたが、水戸駅周辺での雨がウソのように下館駅では薄日がさしました。その後、終点の真岡駅まで天気は持ってくれましたが、1日中降ったり止んだりしていたせいか、車内に吹き込む風はしっとり涼やかでした。

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  • 真岡駅で真岡鐵道のポストカードをゲット
    客車列車と接続する茂木行きのディーゼルカーが出発すると客車列車は側線へ引き上げ、SLとディーゼル機関車は車庫に入ります。その様子をある程度撮影したらポストカードをゲット。これで5枚全て揃いました。あとはSLをバックに記念撮影しようと考えてましたが、SLは翌日も運転されるため車庫には入りませんでした。その代わり、翌日に備えて石炭を積む作業を行っていたので時間つぶしを兼ねて暫く観察。間もなくして雨が降ってきたので駅に戻りました。

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  • 真岡 17:10 → 益子 17:24(真岡鐵道133列車)
    再び雨が本降りとなってきた真岡駅にやってきたのは旅の始まりと同じモオカ14-1。晴れていれば全然明るいこの時間ですが、すでに薄暗くなり始めているせいもあるのか、乗客はまばらでした。
    ワイパーが雨をぬぐう様子を眺めているうちに、改札窓口の営業時間が終わり無人駅となって静まり返った益子駅に到着。今回の旅はこれで終わりです。

    新型コロナウィルス感染症の影響で大変な時期だけに、咳などの症状が無くともマスクの着用はお願いします。それ以上に気になる方はアルコール成分の含まれるウェットシートを持ち歩くなどして対策してください。発熱、体がだるいなどの症状が出ている場合は、絶対に旅行は中止してください。
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