ホーム > 特集 > 水戸線の疑問!?

ネットや風の噂でよく見聞きする「何でJR水戸線って○○なの?」という疑問に勝手に答えていくコーナーです。
調査してほしい疑問があれば、Xアカウント「@mitoline_PR」(水戸線っていがっぺ?)まで気軽にご連絡ください。


Q.なんで水戸線なのに水戸まで行かないの?
1889年に水戸線が開業したときは水戸駅が終点でした。さらに翌年には那珂川貨物駅(水府流水泳道場跡からJRバス関東水戸支店の一帯)まで延伸されました。まだ常磐線は開業していませんでしたが、常磐炭田で採掘された石炭を効率よく輸送することや、内陸線(東北本線)の別ルートとして常磐線の建設が始まり、1898年に全線(岩沼−田端)開業しました。このときもまだ友部−水戸は水戸線で、水戸駅より北は磐城線、友部駅より南は土浦線と呼ばれていました。
1901年に水戸線、磐城線、土浦線が合併したことにより、海岸線(後の常磐線)に名前が変わり、水戸に行かない水戸線が誕生。さらに厄介なことに1909年に国鉄が全国の鉄道の名前を整理した際、なぜか水戸線の名前が残ってしまいました。担当者がものぐさしたのか、それとも水戸って徳川家とも縁があるし良い名前だよなって感じで残ったんでしょうか。名称設定による資料等は無いので分かりませんが、これで正式に水戸線は小山−友部になりました。
Q.水戸線(の乗車時間)長くない?
小山−友部の平均所要時間は1時間です。距離は約50kmなので、表定速度(平均速度)は時速50km程度で移動しています。沿線の一般道も大体、制限速度は50km/hなので車と大差ありません。これ位では長いか短いかはっきりしません。実は50kmの間に16もの駅があるというのが乗車時間が長く感じる錯覚を起こす原因になっているのではと考えます。短い間隔で走っては止まり、走っては止まりを繰り返すと、全然進んでいない感じがしてくるんじゃないでしょうか。
とくにJR宇都宮線の小山−大宮が大体50kmで、この区間の駅数は13駅。しかも最高時速120kmで走るので乗車時間は50分位です。JR宇都宮線の流れる車窓を見た後、JR水戸線に乗り換えてのんびり走っていると、長く感じるのかも知れません。あとは車窓が単調なことで次第に飽き、退屈な時間が乗車時間が長いという風に変換されているのかも知れません。ちなみにJR山手線の1周は約1時間ですが、34.5kmしか進んでいません。表定速度は原付バイクの制限速度をちょっと超えるくらいです。
Q.水戸線の運賃高くない?
区間によって初乗り運賃が190〜200円なので勘違いされている人も多いようですが、運賃計算はJR東日本、JR東海、JR西日本の3社共通となっています。JR線において特定の路線のみ運賃が高くなるということはありませんが、運賃の計算方法は東京の特定電車区間、幹線、地方交通線の3つに分類され、若干変わってくることも事実です。
JR水戸線は幹線に分類され、3kmまでの運賃は東京都内およびJR横浜線、JR武蔵野線などの特定電車区間と同じ140円です。しかし100kmまでの運賃は特定電車区間より80円高くなります。また、JR水郡線などは地方交通線に分類され、3kmまでの運賃は幹線と同じ140円でも、100kmまでの運賃は幹線より190円高くなります。
余談として関東鉄道が日本の私鉄で一番運賃が高いと噂されていた時期がありましたが、そんなことはありませんし、北総鉄道が一番高いんじゃないかという話が出てからは関東鉄道のかの字も出なくなりましたね。
Q.水戸線って風雨に弱すぎでは?
統計的に見ると、台風を除いて強風による遅延は年3回程度しか発生していません。主に1〜2月の空っ風、3〜4月の春一番が原因で、6月以降は強風による遅延は滅多に発生しません。大雨による影響も、異常気象や台風を除くと年に3回程度と思った以上に少ないです。なお、大雨による遅延は大気の状態が不安定になる5月や7〜8月に集中して発生しています。
何故JR水戸線が風雨に弱いという印象を持たれるのか、1つは同じ理由で2度も運転見合わせに巻き込まれたことによる被害妄想だと思います。日本の鉄道は定時運行が当たり前という過信と、交通に影響が出るかも知れないというニュース等の情報を確認しなかったり、勝手に大丈夫だと思って駅に行き、いざ電車に乗ろうとしたら遅れてる。それが2回も続けば不満から不信感に変わると思います。
もう1つは、そういう体験をしてしまった人の口コミが年々受け継がれ、伝統として残っているものと考えられます。JR東日本にはJR東日本が定めた規制値があるので、それを超えればどこの路線でも平等に運転を見合わせます。ちなみに栃木県は日本で1番夕立が発生する地域で、JR水戸線沿線も影響を受け、夏は落雷による運転見合わせが頻繁に発生しています。なのに夕立に弱いよねという話はまったく聞きません。雷を「らいさま」と呼んでいる地域だけに夕立が文化の一部として浸透し、これで運転見合わせにあっても仕方の無いものだと思っちゃうのかも知れません。
Q.小山駅ののりば案内看板に書かれた真岡方面とは?
小山駅のJR水戸線ホームに、下館・水戸・真岡方面と書かれた案内看板がありますが、近年では2018年の5月と6月に栃木DCの一環で真岡鐵道の客車を使用した真岡鐵道直通の団体列車が運転されました。ただそれだけのために真岡方面の表示があるわけでもなく、実は真岡鐵道の前進はJR真岡線で、国鉄時代には小山駅から直通列車が数多く走っていました。その名残として真岡方面の表示が今でも残っています。この案内看板の手前には、下館・水戸・いわき方面と書かれた新しい案内看板が設置されたため、ゆくゆくは撤去されてしまうのかもしれません。
inserted by FC2 system