ホーム > 特集 > イベントれぽーと > 2022年10月29日 いばらきまんぷくトレイン


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  • 茨城プレDCのイベントのひとつとしてグルメ列車を運転
    2023年10〜12月に茨城デスティネーションキャンペーンが開催されるのに伴い、その前年となる今年は各地でプレイベントが開催されます。そのひとつとして、JR水戸支社では初めての試みとなるグルメ列車が運転されました。
    コースはJR東北本線の上野駅を出発し、小山駅からJR水戸線経由で高萩駅まで行くものと、高萩駅からJR常磐線で上野駅まで行くもの、そしてその両方に乗車できる3コースを設定。コース毎にそれぞれの沿線の名物グルメを堪能できるというもので、JR水戸線沿線の名物を改めて知る機会にもなると思い前者のコースに参加しました。乗車するのは勝田車両センターのE653系1000番代(K70編成)です。

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  • 上野 8:40 → 小山 9:58(JR東北本線9531M)
    受付終了が出発の40分前までとかなり時間がタイトだったので上野駅までは東北新幹線を利用しましたが、その甲斐あって時間内に受付を済ませることができました。今回のイベント列車はきっぷは発券されないことが明記されていましたが、参加者は座席番号が書かれた乗車証を元に着席。きっぷの代わりとなるものは、今日提供される地元グルメのおしながき(パンフレット)に印字されていました。
    列車は定刻に上野駅を発車しましたが、早朝に尾久駅で線路内人立ち入りがあった影響でダイヤが乱れていたため、上野−鶯谷の間にある井堀信号場でしばらく停車。途中も先行する普通列車の後ろをピッタリつけるような形でノロノロ運転するなど最大で10分ほどの遅れが出ましたが、最初の目的地となる古河駅には大した遅れも無く到着しました。
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  • 古河市「美よしの菓子店」あんマーガリンのコッペパン
    定刻なら古河駅到着は9時40分でしたが、先述の通り少し遅れて到着。すぐに最初の品が積み込まれました。ここで提供されたのは駅西口から徒歩15分程の所で店を構える地元で人気のパン屋「美よしの」のコッペパン。その大きさもさることながら、中にはマーガリンとあんこがずっしり。写真ではその大きさと重さを伝えきれないのが残念です。
    これを食べたらお昼はいらなくなるほどのボリュームなので、今日は同伴がいるので半分こにしていただきました。ちなみに同伴がいるのに座席が離れたのですが(同伴者は同列D席)、新型コロナウィルス感染症対策として1人で2席利用らしく、グループでもまとまって座れないようになっていまいた。また、座っている席の前後の列も空いていました。
    列車は数分の停車の後、古河駅を発車。まさか駅員と謎のゆるキャラによるお見送りがあるとは知らず、写真は撮り損ねました。

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  • 小山 10:20 → 高萩 13:06(JR常磐線直通水戸線9733M)
    小山駅には定刻より5分ほど遅れた10時過ぎに到着。といっても、ホームの無い11番線に停車。ここから更にカワチ薬品小山駅東通り店の裏まで進み、そこで折り返してJR水戸線に入ります。そのタイミングで座席の向きを変えればいいかなと思ったら、他の乗客の気が早いこと。11番線停車中に座席の向きを変え始めたので、仕方なく同調して変えましたが、そのせいで約500mを逆向きに進む羽目になりました。ボックス席なら仕方ないですが、進行方向に向きを帰られる座席でわざわざ逆向きにすると変な気分になります(同伴者は100メートルでも耐えられません)
    小山駅からは定刻どおりに運転。カワチ薬品小山駅東通り店の裏から小山駅14番線を通過してJR水戸線に入りました。ここから次々とJR水戸線沿線のご当地グルメが振舞われます。

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  • 結城市「真盛堂」ゆでまんじゅう
    結城駅には10時29分に到着。5分間の停車で提供される品が積み込まれます。ここでは駅北口から徒歩10分ほどの所にある和菓子店「真盛堂」のゆでまんじゅうが提供されました。JR東日本のウォーキングイベント「駅からハイキング」が当日のみ開催だった当時、途中の休憩ポイントで何度か振舞われたこともあり、馴染みのあるものです。ゆでまんじゅうというのだから作る過程で茹でてますが、皮はそれほどべたついてなく、もちもちした食感が特徴です。
    ゆでまんじゅうはこの地で疫病が流行した際に、まんじゅうを茹でて健田須賀神社に奉納したのが始まりとされていて、今では市内の和菓子店でそれぞれのゆでまんじゅうが販売されています。結城市のホームページには食べ歩きマップも公開されていますので、参考にしてみてください。
    結城駅は10時34分に発車。今度はお見送りの人たちを撮ることができました。
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  • 筑西市「菓心ひろせ」鳩杖最中
    下館駅には10時45分に到着。ここで積み込まれたのは大正5年創業の老舗和菓子店「菓心ひろせ」の鳩杖最中です。板谷波山が昭和8年から26年まで、郷里下館で80歳になった方に鳩杖をプレゼントしていたことに由来する菓子で、こちらも下館駅周辺の和菓子店で販売されています。菓心ひろせさんのは、つぶあんと手亡(白あん)の2種類です。波山の名に恥じぬよう、素材にこだわった逸品となっています。下館町の時からこの地に住んでいて、ちょっとした蔵などある家にはもしかしたら板谷波山がくれた鳩杖が眠っているかも知れないと思うと、歴史と浪漫がありますね。
    下館駅は10時49分に発車。カメラの設定がうまくいかず、お見送りの人たちは撮れませんでした。ちなみに駅に停車するのは提供品の積み込みのためで、参加者はホームには降りれません。再三の注意アナウンスにもかかわらずホームに降りて写真を撮り、ドアが閉まる直前に急いで車内へ戻るため、ドタドタ騒がしかったり提供品を運ぶ人とぶつかりそうになっていて見苦しいものがありました。参加する上でのルールはきちんと守りましょう。

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  • 笠間市「いなり工房ISAGO」創作いなり寿司
    新治駅で運転停車したあとは特急列車のように友部駅までノンストップ。11時20分に到着すると、ここで積み込まれたのはいなり寿司専門店「いなり工房ISAGO」の創作いなり寿司です。笠間稲荷神社周辺では王道のプレーン、くるみいなり、そばいなりがメインで販売されていますが、友部駅に近いこのお店は、創作ネタを多く扱い人気となっているようです。今回はタコと栗が提供されました。ちなみに創作いなり寿司は毎年コンテストも開催されていて、優秀レシピは大々的にイベント等で販売、審査されるのでこの程度のネタでは驚きません(コンテストは新型コロナウィルス感染症の影響で中止が続いています)
    友部駅はちょっと長めの8分停車ののち、11時28分に発車。ここからJR常磐線へと入っていきます。
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  • 水戸市「おにぎり山翠」水戸乃梅を使用したおにぎり
    水戸駅には11時41分に到着。ここも5分ほどの停車のうちに水戸市内で3店舗を構えるおにぎり・弁当店「山翠」のおにぎりが積み込まれました。水戸は偕楽園があることで梅が有名で、今回おにぎりの具に入っているのは水戸土産としても名高く、梅干ひとすじ80余年という「根本漬物」謹製の梅干が入っていました。シンプルにおいしかったです。
    水戸駅では485系の被り物でお出迎え、お見送りがありました。今は無きリゾートエクスプレスゆうがいたことに感激しましたが、何よりクオリティーが高くてびっくりしました。
    水戸駅は11時46分に発車。かつてのフレッシュひたちを髣髴とさせる走りで北上していきます。
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  • 日立駅でプチ観光
    12時11分に日立駅に到着すると、約40分の停車中は自由行動となりました。ムコナ君のお出迎えを受けて改札の外へ。日立駅はガラス張りの駅舎から太平洋を一望できることで有名ですが、海岸口を出るとデッキがあり、潮風を直に感じることができます。ここにきて一時的に曇ってしまいましたが、時折日が射すと海の色が変わるので、暫く見ていて飽きませんでした。
    ちなみに海岸口の駅舎内にはシーバーズレストランがありますが、流石に40分では店内に入るのも厳しい盛況ぶりなので入れません。中央口にある土産物店を見て回って列車内へと戻りました。
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  • 日立市「やまがた屋」きんぴらごぼう
    日立駅に停車中、座席には最後の提供品となるきんぴらごぼうが用意されていました。かみね動物園の近くにある「やまがた屋」のきんぴらごぼうは、通常と比べてとにかく太いですがしっかり煮込まれているので柔らかいです。お店ではおにぎりを中心に販売しているようで、惣菜はきんぴらごぼう、唐揚げ、サラダの3点のみ。確かにこのきんぴらごぼうなら他のおかずはいらないですね。
    きんぴらごぼうを食べ終える頃、列車はムコナ君に見送られて12時54分に日立駅を発車。いよいよ終点の高萩駅へ向けて走り出します。
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  • 高萩駅到着、解散
    いばらきまんぷくトレインは定刻どおり13時06分に高萩駅に到着。冒頭で記した通り、これからJR常磐線(県南エリア)の沿線グルメを楽しむイベントも始まります。引き続き乗車する参加者もここで一旦下車。しかし待ち時間を潰せるようなものもなく、時間をもてあましていたようです。私はイベント列車の先行の上り普通列車で日立駅へ。シーバーズカフェでくつろいで、土産物店で気になっていたものを購入して帰宅しました。
    後日談を小耳に挟んだのですが、いくら始めての試みとは言え最初にあんこ3連発、メインは米、最後におかずというメニュー剪定と提供順番に厳しい意見が多くあったそうです。今回提供された品はどれも決して悪くはありませんが、2023年のメーン、2024年のアフターDCでもグルメ列車が走るのであれば、コース料理として成立するような献立を期待したいものです。
    個人的には一番の目的であった沿線の名物を再確認する機会を得られたこと、そしてこういう形で伝えることもできたので良かったです。
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