ホーム > 特集 > イベントれぽーと > 2021年2月27日 関鉄日本酒列車


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  • 関東鉄道初の試み
    茨城県内の私鉄各線では距離の短い関東鉄道竜ヶ崎線を除いてアルコールを提供する列車を運行していて、定期的なもので言えば関東鉄道常総線の関鉄ビール列車、ひたちなか海浜鉄道湊線のビア列車、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の一番搾り樽酒列車があります。真岡鐵道でも2015年と2020年の2月に地酒を提供する列車を運行していて、日本酒に絞ると鹿島臨海鉄道と真岡鐵道のみとなります。
    関東鉄道常総線でも過去に日本酒を提供する列車を運行したような気がしましたが、そのようなことは無く今回が初開催ということで参加してみました。

    ちなみに開催に至った経緯ですが、地元の日本酒を知ってもらいたいというほかに、冬季に開催を見合わせているビール列車の代替として定着させたい狙いがあるそうです。

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  • 守谷駅で受付
    関東鉄道のイベント各種はインターネットで申し込めるものがほとんどです。しかしながらビール列車に関しては電話予約のみとなっていて、今回の日本酒列車も電話予約のみとなっていました。開催日の2日ほど前には催行確認の電話連絡がきたのですが、「受付は守谷駅の改札前」と言われてハイと答えるも、他のイベント同様に改札内で受け付けてました。
    受付時には「いばらきアマビエちゃん」も併せて登録。感染症対策にぬかりはありません。ちなみに受付段階ですでに出来上がっている方が何人か見受けられました...。日本酒は別腹?

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  • 守谷 13:17 → 下館 14:21(関東鉄道常総線301列車)
    コロナ流行前の関鉄ビール列車は定員100名でしたが、コロナ禍での開催は50名となっています。今回の日本酒列車も定員は50名に設定されました。定員が減ったからといって車両編成に変わりは無く、3両編成で運行されます。
    車内はテーブルクロスが敷かれた折りたたみ式の長テーブルを2人で1台使用するだけの間隔が保たれ、なおかつ隣の席の人との間にはアクリル板も設置されていました。1両辺りの定員は約16人となるわけですから、かなりゆったりしています。ただ、ロングシートで向かい合う形になりますので、通路は若干狭くなります。あまり席を立たなければ気にすることではありません。なお、関東鉄道の車両にはトイレがありません。そのため、途中駅で10〜15分程度のトイレ休憩が設けられています。

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  • 今回の日本酒
    今回提供された日本酒は常総市石下にある野村醸造の「紬美人」と、筑西市明野にある来福酒造の「特別純米酒 来福」です。日本酒列車初開催ということで、常総線沿線でも馴染み深い2つの蔵元の日本酒を味わいます。

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  • 特別純米酒 来福(らいふく)
    来福酒造は300年以上の歴史ある蔵元です。銘柄は社名にもなっている来福のほか、「一品」や「筑波」なども地元で愛飲されています。また、日本酒に限らず焼酎やワインなども製造・販売しています。
    日本酒は精米歩合で味や香りなどが変わり、値段も大きく違います。その中で純米酒は風味はしっかりしつつもそれほど値段も高くないので比較的買い求めやすい日本酒だと思います。で、特別と付くと何が変わるのかと聞かれると、正直よく分かりません。来福酒造の名はよく見聞きしますが、実は飲んだのは今回が初めてなので、当然ながら純米酒との区別もつきません。ただ、このお酒を頂いて分かったことは肉系だろうが魚系だろうが何の料理でも合うヤベー日本酒で、いくらでも呑めちゃうということです。
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  • 持ち込み自由、車内販売もあるよ
    関鉄ビール列車はビール、チューハイが飲み放題というのは関東鉄道のホームページや募集チラシに書かれているので知っていましたが、日本酒の飲み放題はさすがにありません(提供は300ml×2本とチラシに明記)
    車内への持ち込みは自由だけど車内販売に関しては何も知らされていなかったので、予め持参したおつまみ以外に守谷駅のコンビニでビールを購入しておきました。しかし運行が始まるとすぐに缶ビール、缶チュウハイの車内販売がやってきました。お子さん連れの方もいますのでソフトドリンクは基本無料でしたが、蔵元による仕込み水のサービスがあり、ほとんどの方はそちらを頼んでいました。
    そのほか、日本酒列車のヘッドマークを模った缶バッジの販売もありましたが、なぜか昨年夏と秋のお出かけキャンペーン時に付けられたアマビエ様のヘッドマーク4種セットの方が気になり、そっちを買っちゃいました。

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  • 関鉄日本酒列車 お酒のおとも
    関鉄ビール列車同様、おつまみ弁当が付きます。ビール列車は参加したことが無いのでどのようなおかずがあるのかはネットで調べただけですが、どうも日本酒列車の方がちょっぴり豪華なようです。製造元は水海道駅の西口からすぐの野村屋旅館。宿泊のほか食堂や仕出し弁当の注文も行っていて、日本酒に合うおつまみ弁当をお願いしますと頼んで特別に作ってもらったそうです。
    中身は肉、魚、煮物などバランスが取れていて、左上より順に飛竜頭(がんもどきの別称)と里芋の煮物、鯖一夜干し、オマール風コロッケ。2段目左から鳥西京焼き、牛ロース焼き、ロールキャベツとカニ風しんじょう。左下から香の物、ご飯、海老旨煮と玉子焼き。
    好きなように呑んで好きなように食べるのが一番ですが、個人的には来福には鯖一夜干しや煮物系、後に紹介します紬美人には鳥西京焼きと牛ロース焼きの相性が良かったと思います。

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  • 下館駅では臨時売店も開設
    下館駅のホームではもつ煮や燻製チーズ、福来みかんを使った七味唐辛子が販売されていました。これも事前告知はありませんでしたが、せっかくなので燻製チーズを購入。製造元の株式会社風實(かざみ)は筑西市藤ヶ谷(最寄りは黒子駅)にあるハム、ベーコンを作っている会社ですが、魚介やチーズの燻製品も製造、販売しています。
    もつ煮の提供元は失念してしまいましたが、七味唐辛子はガマの油売りと一緒にイベントなどで露店を開く方が来ていました。

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  • 下館 14:49 → 守谷 15:59(関東鉄道常総線304列車)
    下館駅で30分弱の停車の後、列車は臨時売店の方々に見送られながら守谷駅に向けて発車。車内では蔵元の挨拶や、今回提供されたお酒とは別のお酒の試飲などもあって楽しい旅はまだまだ続きます。
    お酒片手に車窓も満喫するかどうかは人それぞれですが、ロングシートゆえに向かいの窓に映った景色しか見れません。東側を背に(下館行きなら進行方向右側の列)座ると、田んぼくらいしか見るものがありません。しかし西側を背に(下館行きなら進行方向左側の列)座ると、石下−下館の区間によって4度ほど姿かたちを変える筑波山を見ることができます。座席位置が指定されてしまう団体列車で筑波山を見るには神に祈るしかありません(写真は1週間前の団体列車で撮ったもの/中妻−三妻)
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  • 紬美人
    野村醸造は明治30年創業の老舗です。平成27年関東・東北豪雨で被災しましたが、地元の支援もあって操業が再開されました。地元産の酒米「山田錦」と筑波山系の水でつくる「結城紬」が主品目ですが、つむぎ野というブランドでジャムなどの食品の製造・販売も行っています。
    今回頂いたのは日本酒ではポピュラーな純米酒。とは言え、使われるお米や水、さらに蔵元のこだわりによっても味は変わってきます。先に紹介した特別純米酒 来福と比べても黄色みがかっているなど、見た目にも違いがあります。味の方は辛口とまでは言えないものの、キレと独特の風味がありますので濃い目の味付けの肉料理に合うと思います。
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  • 参加して思ったこと
    普段と違った環境でお酒を楽しめたのは良かったです。世が世なら定員いっぱいで開催され、もっと賑やかなものだったんでしょうが仕方ありません。参加者のほとんどは友人、知人、家族連れなどのグループだったので、乗り合わせた見ず知らずの人同士で盛り上がるということもあまりなかったようです。
    車内は一部の窓が開けられて常に換気している状態だったほか、グループ内での会話であってもほとんどの方は飲食時以外は極力マスクを着用するよう心がけていたようです。しかしながらお酒が入ると楽しくなってしまうもので、大声でマスク無しで会話している人ほど悪目立ちしてしまっていたので、今の生活様式下ではそうならないよう気をつけたいなと思いました。
    2021年度冬季の運行の際は、何も気にせず呑める世の中になっていれば良いですね。

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  • 飲酒後の自動車、バイク、自転車の運転は法律されています
    今回はお酒を楽しむイベントだったので、行きも帰りも岩瀬駅と最寄りバス停の間は桜川市広域連携バス(ヤマザクラGO)を利用しました。飲酒運転で運転手が逮捕された場合、今の法律では提供したお店や飲酒していない同乗者も書類送検(重大事故では逮捕)されるので、当然ながらイベント主催者もそれに該当してしまう可能性があります。そうなるとお酒を提供するイベントは二度と開催されれない恐れもあるので、お酒を楽しむなら法律を守り、誰にも迷惑をかけないよう心がけなければなりません。
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