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JR水戸線沿線(主に茨城県西地区)の方言や文化を紹介しています。
栃木県に接していると言う風土から、茨城県と栃木県の言葉や文化が微妙に混ざり合っているところがあります。ただ、方言(訛り)がバカにされる時代があったせいや核家族化で継承されないこともあり、戦後生まれ〜団塊世代の農家は分かるようなことでも、いわゆるZ世代になると知らないものもあるようです。
あ行 か行 さ行 た行 な行
は行 ま行 や行
ら行 わ行 文化
あ 行
- あおなじみ【青あざ、青たん】 例:さっきそこですっころんじって青なじみできちった。
- あくたもくた【何もかも】 例:あくたもくた一緒にすんな。
※標準語の「芥もくた」とは意味が異なる。
- あぶら【ガソリン】 例:これあぶら代ね。
- あよ!【おい!、ねぇ!】 例:分かってんのかよ、あよ?
- あんべぇ【塩梅】 例:あんべぇ(ここでは具合と言う意味)悪ぃの?風邪でも引いたか?
- あんめ(あんめぇ)【無い】 例:違うよ!そうじゃあんめよ。
- いがっぺ【良いでしょう】 例:この壷いがっぺ?(同:いかっぺ、よかっぺ、よがっぺ)
- いじやける【イライラする】 例:おめーはいつまでそんなちんたらやってんだよ。あー!いじやげっごと!(同:せやける)
- いたっぱち【板】 例:そこの板っぱち取って。
- いばらぎけん【いばらきけん(茨城県)】 例:茨城をいばらぎっつーなって宣伝してっけど、地元もいばらぎっていってっどな。
- いやどーも【挨拶のひとつ】 例:野菜もってきてくれたの?いやどーも。
※ありがとう、大変だったね、わざわざすいませんなどという複数の意味合いがある。悪い意味合いとしてはマジか、参ったねなど。
- うら【後方】 例:これ軽トラのうら(ここでは荷台という意味)につけどいで。 ※茨城県内では久しく聞いてません。
- えがい【でかい】 例:えーがい犬だな。
- えびがに【ザリガニ】 例:えびがに捕りに行がねーけ?
- おっこどす(おっこる)【落とす(落ちる)】 例:きのう財布おっこどしてたっぺ。
- おにむし【カブトムシ、クワガタ】 例:鬼虫採ってきたど。
※カブトムシのメスはババ、クワガタはナタ(ナダ)等の呼称もある。
- おにんこ【おにぎり】 例:今日の昼飯はおにんこけ?
か 行
- かえってどうも【いやどーもに対する返事】 例:<相手>いやどーも。<自分>かえってどうも。
- かっちゃぐ【引っかく、掻きむしる】 例:猫いじめでっどかっちゃがれっから!(同:北海道弁のかっちゃく)
- かっとまる【まとまっている】 例:そこらじゅう散らかしてかっとまりねーな。
- かっぽる【放り投げる】 例:洗うやつは洗濯機の中にかっぽっといてな。
- がめる※【盗む、横領】 例:俺のプリンがめたの誰だよ。
- きのうおととい【一昨日】 例:昨日一昨日出掛けてたっぺ。 ※同じ意味で使っている地域が多数あり。
- げ【〜の家】 例:おめー家んとこの柿、よく生ってんなや。おら家(私の家)のはひとつもなってねーよ。
- ごじゃっぺ(ごぢゃっぺ)【ばか者、愚か者】 例:このごじゃっぺが!!(同:ごじゃらっぺ。栃木弁のでれすけ)
- こわい【疲れる】 例:ずっと畑仕事してっどこわいな。
- こわい※【硬い】 例:今日のご飯の炊き加減こわっちぃな。
さ 行
- さぶろ(さぶろー)【スコップ】 例:穴掘っからさぶろー持ってきて。 ※主にスコップを指し、園芸用の小型シャベルには言わない。
- じっけっぴ【じゃんけんぽん】 例:じっけっぴ! あいこっぴ!
- しみじみ【しっかり】 例:いつまでもくよくよしないでしみじみすっぺよ。
- じゃりんこ【玉砂利、砂利、砕石の総称】 『農家の店しんしん』では商品名として使用されています。
- じゃんぽん【お葬式】 例:○○さんちのじいさん死んで来週じゃんぽんだどよ。(同:じゃんぼ)
- せやける【イライラする】 例:おめーはいつまでそんなちんたらやってんだよ。あー!せやげっごと!(同:栃木弁のいじやける)
た 行
- だいじ【大丈夫】 例:血ぃ出てっけどだいじけ?
- 〜だっぺ(〜だどな)【〜でしょ(〜だよね)】 例:そうだっぺ。
- ちゃぶす【つぶす】 例:虫ちゃぶしたらへんな汁出てきた。
- チョッパ【蛾】例:窓開けてっからチョッパめ入ってきた。
- つっとさる【刺さる】 例:藪ん中歩いてっど、しのっぺつっとさっど?
- つっぺる【滑って転ぶ】 例:そんな泥だんべのとこ歩いてっとつっぺっと?
- でれすけ【ばか者、愚か者】 例:このでれすけが!(同:茨城弁のごじゃっぺ)
- どっくむ【飲み込む】 例:誰だ!授業中にガム噛んでるやつは?早くどっくんじまえ。
- どどめいろ【くすんだ黒、濃い紫】 例:青なじみんところがどどめ色になってきた。
※本来は土留め色という標準語。茨城県では打ち身、捻挫などで肌の色が変色した際に用いられる。
は 行
- ぶじ【ぶっ飛ばす、焼きを入れる】 例:おめー次ヘマしたらぶじだかんな。
- ふったける【火をつける】 例:そろそろ風呂ふったける時間だな。
- ふんずぶす(ふんぢゃす、ふんぢゃぶす)【踏みつぶす】 例:犬のウンコ始末しねーからふんずぶしちったっぺよ。
- へっぷりむし【カメムシ】 例:へっぷり虫ちゃぶしたらくっせ〜。
- ほろかす【振る、振り回す】 例:布団干す前によくほろかしとけよ。
ま 行
- ミッション【変速ギア車(MT車)】 例:車の免許オートマ?ミッション?
※主に関西地方で多用されるものだが、免許取りたての高校生の間でよく使われる。
- ○○め【複数の〜】 例:畑の真ん中で遊んでんのどこのガキめらだ?
- もす【燃やす】 旧大和村のゴミ袋の名称は『もせるごみ』。
ら 行
わ 行
- 〜わすら【無用心な動作、余計な動作】 例1:火わすらしてっど火事になるぞ。 例2:暇だからって手わすらしてんじゃねーよ。
※…昔は全国的に使われていたものが今でも方言として局所的に残っているもの。
文化