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  • 赤いボディが特徴のEF81形電気機関車
    EF81形電気機関車は1973年に登場した交直両用の機関車で、蒸気機関車のD51形がデゴイチと呼ばれるように、EF81形もパーイチと呼ばれ親しまれています。
    茨城県内で見ることのできるEF81形のほとんどは尾久車両センターに属する機関車で、かつては寝台特急「はくつる」や「北斗星」、「カシオペア」の牽引機として活躍していたほか、JR常磐線で貨物列車の牽引も務めていました。配給列車などでは双頭連結器を備えた長岡車両センターや秋田車両センターのEF81形がやってくる場合もあります。

    基本的な車体カラーは真っ赤なローズレッドで、尾久の81号機と長岡の97号機はローズピンクという若干淡い赤色となっています。また、車体側面に寝台特急を牽引する証である流れ星がペイントされた機関車も現存しています。一方、「カシオペア」に充当されいたEF81形はオリジナルの塗色となり、鉄道ファンからカシ釜と呼ばれて親しまれました。カシ釜は貨物運用に入ることはありませんでしたが、EF510形電気機関車の登場によって「カシオペア」の運用から外れた後は貨物列車の牽引を務めることも度々ありました。なお、カシ釜塗装は2012年1月に消滅しています。
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  • 運用の遍歴
    寝台特急「北斗星」、「カシオペア」は2010年7月14日を最後にEF510形電気機関車(500番代)に置き換えられ、同年12月のダイヤ改正でJR常磐線の貨物列車もEF510形に置き換わりました。JR常磐線では暫くEF81形による代走もみられましたが東日本大震災によって事情が変わり、置き換えを目的に導入されたEF510形はJR貨物に売却されることになります。EF510形の売却が完了するころには寝台特急自体の運転が終了してしまいましたが、「カシオペア」は「カシオペアクルーズ」、2020年以降は「カシオペア紀行」として現在も運転を続け、再びEF81形が牽引を務めています。

    JR常磐線では仙台方面からやってくるED75形電気機関車牽引の貨物列車から荷を引き継いだり、JR水郡線の西金駅からやってくる採石輸送列車を千葉方面へ運ぶために水戸運輸区に常駐していましたが、貨物列車はEH500形電気機関車に置き換えられ、採石輸送列車も専用車両への置き換えが発表され、常駐も必要がなくなることから2024年2月までに姿を消しました。不定期ながら尾久車両センター−神立で運転される乗務員訓練は現在もあるものの、それ以外で茨城県内でEF81形を見ることができる機会はほぼないと思われます。

    JR水戸線でも過去には客車列車や貨物列車が走っていましたが、1982年11月に客車列車が廃止。次第に貨物列車も減少します。そして最後まで残ったのが安中貨物の愛称で親しまれている東邦亜鉛株式会社の専用列車でした。この列車は福島臨海鉄道宮下駅を出発し、JR常磐線泉駅からJR信越本線安中駅を結ぶ貨物列車で、小山駅経由で輸送に1日半をかけていましたが、貨物輸送の高速・効率化とJR両毛線の貨物輸送の廃止により2000年12月にJR高崎線経由に変更され、JR水戸線から貨物列車が姿を消しました。以降、JR水戸線でEF81形を見れる機会は大幅に少なくなりました。

    2019年10月の台風19号による災害でJR水郡線は一部区間で不通となり、西金駅常備の採石輸送車の郡山総合車両センター入出場が運転できなくなった関係で、JR水戸線経由でのう回措置がとられました。JR水郡線全線運転再開までの短い期間でしたが、JR水戸線を走るEF81形を写真に収めようと、運転日には多くのマニアが集まり賑わいました。
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  • 今後の動向
    2017年3月に双頭連結器を備えた134号機が秋田車両センターから尾久車両センター(当時は田端運転所)へ転属してきたことで、首都圏を走る電車の機器更新に伴う秋田車両センター、もしくは青森改造センター入場などの配給を担当していますが、いずれは事業用車両のE493系に置き換えられる方針です。しかしE493系も頼りない噂ばかりが聞こえ、今尚EF81形の全廃には至っていません。
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