ホーム > ギャラリー > 機関車図鑑 > EF510形電気機関車(500番代)
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  • JR東日本の新型機関車
    EF510形電気機関車は交直両用の機関車で、蒸気機関車のD51形がデゴイチと呼ばれるように、EF510形もゴトーさんと呼ばれ親しまれています。なお、ここで紹介するのはJR東日本が導入した500番代で、JR貨物が導入している0番代・300番代には「RED THUNDER」の公式愛称が付いています(300番代は銀釜ですが愛称は0番代と同じです)
    JR東本では老朽化が進むEF81形電気機関車の後継機としてEF510形500番代を新製し、2010年から寝台特急「北斗星」や「カシオペア」、それにJR常磐線の貨物列車に投入されました。

    車体カラーはJR貨物の0番代とは真逆の青が基調となっていて、ブルートレインとほぼ一体化しています。さらに側面にはEF81形の北斗星塗装を思わせるような流星マークが刻まれました。また、投入された全15両中の2両(509・510号機)が「カシオペア」専用のいわゆるカシ釜となっていて、こちらもシルバーを基調としたE26系客車と一体化したカラーリングとなっています。
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  • 運用の遍歴
    2010年6月から寝台特急「カシオペア」、7月から「北斗星」で運転が始まり、12月にはJR常磐線での貨物運用が本格化しました。しかし貨物運用については全ての置き換えには至らず、時折EF81形による代走も見られました。そして2011年3月に発生した東日本大震災で転機が訪れます。
    震災後もEF81形による代走は続きましたが、2012年3月のダイヤ改正でようやくJR常磐線(隅田川以北)の全ての貨物列車がEF510形になりました。しかし2013年のダイヤ改正でJR東日本による貨物列車の委託輸送が終了し、僅か1年でJR貨物のEH500形電気機関車に置き換えられました。
    貨物運用の終了後もE657系の甲種輸送や採石輸送車の牽引などで活躍する場面も見られましたが、余剰となった分はJR貨物に売却され、さらに2014年8月に寝台特急「北斗星」、2015年3月に「カシオペア」も運行を終了し、完全に役目を失ったことで残りもJR貨物へ売却されました。
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  • 東日本大震災の影響
    JR常磐線が不通になったことで、北海道や東北地方と首都圏を結んでいた貨物列車がJR東北本線や日本海ルートへ迂回することなり、それを補うためにJR宇都宮線やJR高崎線での運用が一時期みられました。さらに日本海縦貫線への振り替え対応と、同地区を走るJR貨物のEF81形の置き換え候補として北陸地方への移籍が検討され始めました。
    2011年末にはすでに4両の売却が決まっていたという噂もありましたが、まずは2013年にJR東日本の貨物輸送の委託終了に伴い9両をJR貨物へ売却。寝台特急「北斗星」、「カシオペア」の廃止に併せて、残る6両も順次売却されました。なお、売却後も車体カラーはカシ釜を含めてそのままとなっていますが、側面に刻まれた北斗星塗装を思わせる流星マークは消されています。

    震災後、復興を祈願するステッカー「がんばろう日本 ・ がんばろう東北」と「つながろう日本」の2種類のステッカーが側面に貼られました。震災も無く貨物列車の委託輸送も続いていれば、EF81形を淘汰してEH500形とともに引き続きJR常磐線で走っていたかもしれません。
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