ホーム > ギャラリー > 機関車図鑑 > EH500形電気機関車(仙台車)
  • 画像1
  • マサカリ担いだ金太郎
    EH500形電気機関車は交直両用の2車体機関車で、ED75形電気機関車の後継機として試作機が1997年に登場。2000年より量産化が始まり、JR東北本線を中心に貨物輸送を務めていて、JR常磐線でも隅田川−いわき(泉−いわきは単機回送)で見ることができます。ちなみに東日本一帯で見られるEH500形はJR貨物の仙台総合鉄道部に在籍しています。
    蒸気機関車のD51形がデゴイチと呼ばれるように、EH500形もキンタと呼ばれて親しまれています。これはJR貨物がつけた公式愛称の「ECO POWER 金太郎」から由来しています。

    急勾配の登り下りや沢山の貨車を牽けるようにした結果、2車体構造という大型の機関車となりましたが、普段は車体を分割することは無く、仮に切り離したとしても個々が単独で動けるわけでもありません。年に1度、大宮総合車両センターで開催される車両基地イベントでは、隣接するJR貨物の大宮工場も開放されますが、運がよければ検査のため分割された姿を見れるかもしれません。


  • 画像2
  • 運用の遍歴と現在の運用
    JR東北本線は黒磯駅にデッドセクションを設け、北は交流専用の機関車、南は直流専用の機関車と使い分けていたため、黒磯駅構内での切り離しや連結作業に時間がかかっていましたが、EH500形の導入で北海道や東北と首都圏を結ぶ貨物はこれを省略できるようになり、時間短縮が図られました。2016年3月には機関車の交換作業を廃止し、2018年3月にはデッドセクションの位置を駅構内から高久寄りに移したことで、駅構内での電源切替も無くなって完全にスルーできるようになっています。

    同じくデッドセクションを設けるJR常磐線でも水戸駅で機関車の交換作業が行われていましたが、水戸以北を担当するED75形の廃車が押し迫っていたため、EH500形の走行試験が幾度か行われていました。しかし東日本大震災の発生によりJR常磐線は不通となってしまい、当時は実現されませんでした。不本意にも水戸駅での機関車の交換作業が無くなった以上はEH500形も導入の必要は無いと思われましたが、それほど間を置かず2013年3月にJR東日本の貨物委託運用が終了すると、すんなりやってきました。

    JR水戸線には貨物列車は走っていないので、当然ながら見ることはできません。このほか、本州と九州を結ぶ関門海峡においては担当するED76形電気機関車やEF81形の老朽化も否めず、門司機関区に新車を直接投入したり仙台総合鉄道部から転属させるなどして導入が進んでいます。
inserted by FC2 system