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  • 14年半ぶりの新型特急形車両
    E657系は651系・E653系の後継機として2012年3月17日に登場した特急形車両です。
    愛称は「スーパーひたち」と「フレッシュひたち」を継承しましたが、2015年3月の東京上野ライン開業にあわせて速達タイプは「ひたち」、停車駅の多い列車は「ときわ」に改称されました。

    すべて10両固定の基本編成のみで、16本(160両)が投入されましたが、上野東京ラインの開業にあわせて1本増備され、17本(170両)となります。さらに2020年3月14日より、品川駅・上野駅と仙台駅を結ぶ直通特急を復活させることから、2本増備されて19本(190両)となりました。
    車体カラーは梅の名所である偕楽園にちなんで白梅の白を基調に、窓下に紅梅の赤いラインが入っています。2022年の年末より翌年秋開催の茨城デスティネーションキャンペーンに向けてE653系リバイバルカラーが登場し、全5色が再現されています。運行は2026年秋まで予定されています。
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  • 車内設備
    列車は品川寄りが1号車、仙台寄りが10号車で、5号車がグリーン車です。座席定員は600人で、そのうちグリーン車は30人となっています。座席は普通車にもヘッドレストが付き、1席ずつ肘掛部分に100Vコンセントも備わっています。
    トイレは1・3・5・7・9号車で、5号車のトイレは車椅子対応。また、5号車にはAED(自動体外式除細動器)が設置されています。
    車内販売は「ひたち」の品川−いわきのみで、いわき−仙台と全ての「ときわ」では行われていません。駅弁の販売は2019年3月で終了し、6月にはホットコーヒーの販売も終了しましたが、ホットコーヒーは2023年2月より販売を再開しています(ただし最終列車と最終1本前は販売なし)

    JR常磐線の特急列車は全て全車指定席となっています。駅の指定席券売機やみどりの窓口で特急券を買えますが、えきねっとのチケットレスサービスから申し込めば特急券が100円引き、または数量限定で35%引きになるので、えきねっとの利用をお勧めします。
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  • 現在の運用
    「ひたち」は全列車が品川駅発着で、基本的にはいわきまでの運転となっていますが、上下3本ずつ仙台駅まで乗り入れています。ここのところ相次ぐ東北新幹線の運休では一部列車を仙台駅まで延長運転させる対応もとられています。その際、いわき−仙台は臨時快速列車として運転されるため、乗車券のみで利用できます。
    「ときわ」は平日朝に上野駅発着が1本残るものの、それ以外は品川駅発着で、勝田駅または高萩駅までの運転となっています。繁忙期やイベント開催時に臨時列車が運転されるほか、新型コロナウィルス感染症の蔓延で一時運転を取りやめた毎週金曜夕方に運転の「ときわ86号」に準ずる「ときわ96・97号」が2024年3月のダイヤ改正より定期化されています。

    毎年5月から6月の修学旅行シーズンを中心に運転される集約臨時列車では多くの学生・生徒を乗せて走っています。2023年夏からはJR東海道本線品川以南への乗り入れも行われ、繁忙期に常磐方面とを結ぶ臨時列車も運転されるようになりました。


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  • これまでの運用
    JR常磐線の特急列車は上野−仙台で運転されてきましたが、E657系の登場によっていわき駅で分断される形になる予定でした。2012年3月より上野−いわきはE657系で、いわき−仙台はE653系付属編成での運転が計画されていましたが、東日本大震災によって計画は大きく変わることとなります。

    上野−いわきの特急車両は2012年秋には全てE657系に置き換わる予定でしたが、震災の影響によって2012年春までの運転予定だったE653系も引き続き運転されたことにより、2013年3月にE657系への置き換えが完了しました。引き続き「スーパーひたち」、「フレッシュひたち」として運転されますが、先述の通り2015年3月の上野東京ライン開業に伴うダイヤ改正で「ひたち」、「ときわ」に改称されています。また、日中すべての特急列車がJR東海道本線の品川駅発着となりました。
    2020年3月のダイヤ改正では待ちに待った品川・上野−仙台(JR常磐線経由)の直通運転が始まりましたが、いわき駅発着の「ときわ」が消滅しています。
    そして2023年3月のダイヤ改正で、全ての「ひたち」が品川駅発着になりました。

    波動用としては2014年秋のE653系の全車撤退を機に頻繁に見られるようになりましたが、651系が残ったことやK70編成の投入によってそれほど出番は多くなく、臨時快速列車として運転されたのも2014年の茨城県民の日に運転された「舞浜・東京ベイエリア号」のみでした。
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  • 改造
    暫定運用中だった2012年にさっそく人身事故に巻き込まれて車体の一部を破損したのを皮切りに、その後も事故が相次ぐ度に車体を凹ませてきました。そこで少しでも修繕の手間を省こうと、先頭車両の流線型の部分にFRP(繊維強化プラスチック)の補強材を取り付けることとなり、2015年3月より取り付け作業が始まりました。途中、様々なトラブルによって作業が延期になることもしばしばあったそうですが、2016年2月末までに全ての編成で取り付けが終了しました。なお、取り付け後すぐに人身事故を起こした編成がありますが、効果のほどは不明です。

    2016年3月のダイヤ改正からJR常磐線の特急列車が全車指定席になるのに伴い、2013年10月から2015年1月にかけて座席確認用のランプが取り付けられました。取り付け工事は勝田車両センターにて行われましたが、K17編成以降は落成時から取り付けられています。
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  • フレッシュひたちリバイバルカラーの登場
    2023年秋に開催される茨城デスティネーションキャンペーンにあわせ、2022年の年末からE653系フレッシュひたちのリバイバルカラーが施されています。最初に登場したのはグリーンレイク「霞ヶ浦と帆曳船」となったK17編成で、次いでK12編成にスカーレットブロッサム「偕楽園と好文亭」、K2編成にイエロージョンキル「国営ひたち海浜公園と黄水仙」、K1編成にブルーオーシャン「塩屋崎灯台と太平洋」、茨城DC開幕直前にオレンジパーシモン「袋田の滝と紅葉」となったK3編成が登場し、全5色が揃いました。カラーリングだけでなく、各先頭車には「 」内に記した観光地をモチーフとしたイメージステッカーも貼られ、横から見た姿はE653系を彷彿させるものとなっています。ちなみに、これらはラッピングではなく郡山総合車両センターにて塗装作業を行っています。
    この復刻塗装は2026年春ごろまで運転される予定です。
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  • 今後の動向
    すでに先行量産車が車体保全を終えている一方で、JR常磐線の全線運転再開用に新造されるなど、先行車と最新車では8年9ヶ月もの車齢差が生じています。先行車が廃車になるタイミングで最新車も潰してしまうのか、それともいわき分断構想が復活して、いわき以南は新型車両を投入し、いわき以北は引き続きE657系(K17編成〜)を使用するのか、想像は尽きません。
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